2026-05-20

枯草の生命と夕映えの富士

お正月に構想中の「四季シリーズ・冬」の取材へと出向きました。

足を運んだのは、遊水池。

空と大地が茜色に溶け合う、一日の終わりの美しい時間帯。

遠くには凛と佇む富士の姿があり、手前には見渡す限りの枯草が広がっていました。風に吹かれた向きのまま、そこだけ時が止まったかのような静寂が漂っています。

冬の陽は短く、刻一刻と沈みゆく太陽との競争です。

その儚い光と空気感を逃さぬよう、急いでスケッチブックを広げ、夢中でシャッターを切りました。

途中、枯れ草の茂みからふと獣の気配を感じて、思わず身がすくむ場面も。

場所を変えて再びレンズを覗き込むと、複雑に絡み合う草のツルや葉の重なりに、かつて太陽を浴びて青々と生い茂っていた頃の「力強さ」が宿っているのを感じます。枯れてなお、そこに在る命の造形美。

寒さでスマホが動かなくなるほどの厳しい冷え込みでしたが、帰り際には水場で喉を潤すイノシシの親子にも遭遇しました。

厳しい自然の中で脈打つ命の気配。この冷たくも温かい冬の情景を、岩絵具に乗せて表現したいと思います。

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