鮮やかな新緑、西表島へ
6月、若葉が揃い、緑が最も鮮やかになる頃。
植物の生命力に満ちた風景を見たくて、西表島へ取材に向かいました。
台風が近づく中、なんとか最終便で島へ入り、初日は川辺のマングローブと原生林へ。
マングローブの根は、泥の中から何本も伸びる独特の形をしています。どこか愛嬌があり、それぞれがしっかりと地面を掴んで立っているように見えました。
原生林に入ると、木々と葉が空間を埋め尽くし、空はほんの少ししか見えません。
写真では逆光で暗く写ってしまう森も、実際には驚くほど多くの緑に満ちています。大きさも形も違う葉が幾重にも重なり、植物が植物の上に育ち、隙間なく森をつくっていました。
なかでも印象に残ったのが、木の上に大きく葉を広げるオオタニワタリです。
鮮やかな緑と艶のある葉は、少し人工物のように見えるほど整っていて、まるで木の幹に大輪の花が咲いているようでした。
高く伸びるヒカゲヘゴも、西表島らしい植物のひとつです。
大きなシダの葉が空に向かって広がる姿は、密度の高い森の中でもひときわ美しく見えました。
翌朝は、まだ暗いうちからサガリバナを見にマングローブの森へ。
ちょうど花の季節で、水面にはたくさんのサガリバナが落ちていました。よく知られている光景ですが、実際の水は澄んではおらず、泥を含んだ色をしています。
泥水に浮かぶサガリバナ。
これは綺麗なのだろうか。
そんなことを思いながら眺めていました。
私はむしろ、まだ枝に残るサガリバナの方に惹かれました。
濃い青緑の葉の中に、濃いピンクの繊細な花が垂れています。花は細やかなのに、葉も色も南国らしく力強い。その対照が不思議な魅力を持っていました。
今回の取材で強く残ったのは、島を満たす植物の生命力です。
葉が葉を覆い、木の上にまた植物が育ち、様々な緑が重なってひとつの空間をつくっている。
あの密度と生命感を、自分の画面ではどう表せるのだろうと思っています。
また訪れたい場所です。










